第6回:遺産分割と不動産トラブル解決法

相続で特にトラブルが起きやすいのが「不動産の分け方」です。
現金や預金と違い、不動産は簡単に分割できないため、遺産分割協議で意見が対立するケースが多くあります。ここでは、遺産分割における不動産トラブルの主な原因と解決方法を解説します。
1. 遺産分割で不動産が揉めやすい理由
- 分割しにくい財産であること
1つの土地や建物を相続人ごとに物理的に分けるのは難しい。 - 評価額に差が出やすい
不動産の評価は一律ではなく、相続人によって「高い」「低い」の見解が分かれる。 - 感情的な対立
「実家だから残したい」「売却したい」など、思い入れが意見の対立を生みやすい。
2. よくある不動産トラブルの例
- 相続人の一人が「住み続けたい」と主張するが、他の相続人は「売却して現金化したい」と希望する。
- 評価額や査定額に納得できず、遺産分割協議がまとまらない。
- 誰が固定資産税や維持管理費を負担するのかでもめる。
3. 不動産トラブルの解決方法
(1)換価分割
不動産を売却して現金に換え、そのお金を相続人で分ける方法。
👉 最も公平に分けやすい解決策。
(2)代償分割
相続人の一人が不動産を取得し、その代わりに他の相続人へ現金などを渡す方法。
👉 実家を残したい相続人がいる場合に有効。
(3)共有分割
不動産を相続人全員で共有する方法。
👉 一見平等だが、将来的な売却や管理で新たなトラブルになるリスク大。
4. 解決のためのステップ
- 正確な不動産評価を行う(不動産会社の査定や専門家の鑑定)
- 相続人全員で話し合う(遺産分割協議書を作成)
- 専門家に相談する(弁護士・司法書士・税理士など)
- 家庭裁判所の調停を利用する(協議がまとまらない場合の最終手段)
5. 福井市での不動産相続のポイント
福井市内でも「空き家問題」や「農地の相続」がトラブルにつながるケースがあります。
地域に詳しい不動産会社や士業に相談することで、スムーズな解決が期待できます。
まとめ
相続不動産のトラブルは、感情的な対立だけでなく、分割の難しさから起きるものです。
- 売却して現金に分ける(換価分割)
- 一人が取得し代償金を支払う(代償分割)
- 共有にするがリスクがある
いずれにしても、早めに専門家へ相談することが円満な解決につながります。